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多肉植物写真集第2巻 REVIEWAL1
先日国内多肉図鑑の新書として『多肉植物写真集第2巻』が発売されました。
現在国内の多肉ラベル力の指標みたいなモノでもあると思うのでその辺も注目しておりましたがコレはちょっとね、っていうとこが。
間違え易い名前とかそんなこと以前にケアレスミスとか明らかに調査不足・手抜きな間違いも多い。
クソ偉そうな物言いになってますけどそらもう金払って買ったんで辛目に書くよ。
表記的にはイタリックとローマンの切り替えとか単純な誤植レベルのモノも1巻より多い印象。
P.129の『パキポデューむ』はなんか萌えた。
この辺はまぁご愛嬌みたいなもんだけど交配種の場合属名と栽培品種名の間に×が入ってるとの入ってないのがマチマチだったり、日本語の栽培品種名をローマ字にしたときハイフンで繋いでたりスペースで切ってみたり、2単語目がキャピタライズされてたりされて無かったり色々モヤっとしてる。
この本を参考にラベル書いたりする人もいるワケだろうしもう少し一貫性なりちゃんとして欲しいとこ。
あと園芸種の作出国が当てにならない。
ここら辺は真偽が不明なモノも多いし産地表記は原種だけでいいんじゃないかなと思う。
原種といえば文中の「原種」の使い方もなんかちょっと引っ掛かる。
普通は野生種って意味で使われる(採種親用の種子、って意味でも使うらしい)けど「原種に比べてナントカ」とか書いてあって何コレ交配種なの?みたいな誤解を受ける人がいるかも。
ボクも良く知らんですけどこういうのって基本種、基変種、原亜種とか言うんじゃないですかね。

ええとこを挙げるなら何だかんだで見ごたえのある写真は多いです。
ハオルシアスタディ読んでないんでまだ市場には殆ど出回ってない銘品なんか見れたのは非常に良かったです。
P.150の Bulbine sp. とかオーラがハンパねぇ。
「あーこんな多肉あるんだーこれキレーだなー」みたいな観賞目的でならナイスだと思います。
ただ上記に挙げた以外のどこに間違いが潜んでるかは把握しきれませんので、属ごとのマニアさんと添削修正しながら読んだりすると話が弾んで楽しいんじゃないですかね。
ざくざくメモ書き込んで楽しみましょう。
多肉図鑑、しかも日本語のモノとなるとそうそう出版されるモノではないんで、気になるならササッと買っといたほうがイイんじゃないですかね。
本っていうのは何となく捲ってみたり、本棚を充実させて満足感得てみたりでナイスです。

それでは個人的に割りと知ってる属だけいってみよー!
ここのイタリックがおかしい、とかその程度のミスはスルー。
クソ長いので今日はとりあえずハオルチャーのみ。

◆・・・要検証/写真・名前が一致していない等
●・・・コメントしたい



■■■ GENUS: Haworthia ■■■
基本Bayer系でたま~にHayashi-Breuer系の名前が混ざってる。
その辺は挿さってるラベルに準拠してるだけっぽい。
雑種の疑いが高いモノ(斑入りとか特に)にもイタリックラティーナで種小名が書かれてるのは厳密にはいかんと思われますけどまぁ、ネ。
ミラビリス系は産地とかデータがないんでさっぱりです。
変種を種に格上げする(戻す)だけ、みたいのは面倒なんでスルー。
◆印はだいたい合ってると思いますけど●印はあやふやです。
その辺はこの記事読むよりもっと詳しい人に訊いてみると楽しいと思います。
というかどうせなら林博士にチェック入れて欲しかった(たぶん殆どペケになるね)。


Haworthia arachnoidea var. nigricans (P.36)
うーん H. isomorpha n.n. か H. regens n.n. あたりになるんかね。
産地がついてない上に枯れこんでるんで難しいね。

Haworthia bathylis (P.38)
写真は H. helordia n.n. 。
たぶんP.48の H. helmiae で載せるハズだった写真とテンコシャンコしとるね。
P.48のが H. bathylis

Haworthia coarctata (P.40)
たぶん新種になると思う。

Haworthia chloracantha (P.40 左)
H. denticulifera っぽくも見えるけど微妙なとこだ。

Haworthia ‘Calizdorf’ (P.40)
「未銘名の品種。」とコメント。
学名ないけど銘なら付いてるやん、とかそういうことはどうでもいいんだけどたぶん『Calitzdorp 産の H. sp. 』ってことかな。
何かは知りません。
地名なら Calizdorf ではなくて Calitzdorp 。
産地名を品種名みたいにするのはあんま良くないと思われます。
H. sp. ,Calitzdorp』と『H. ‘ Calitzdorp’』じゃあ意味合いがだいぶ違う。

Haworthia ‘Marilin’ (P.41)
ハオスタとかでどうなってるかは忘れたけど一般的にはマリリンのスペルは Marilyn 。
名前の由来も「妖艶でナントカ」っていうマリリン・モンローっぽいような説明だった記憶。

Haworthia cooperi var. dielsiana (P.43)
Cookhouse 産のモノなら H. joeyae かな。
P.42のも H. dielsiana というよりはじょーいえーな感じ。

Haworthia crystallina (P.45)
H. cummingii にもこんな感じの個体があるから困る。
THE GENUS HAWORTHIA に載ってる H. crystallinaH. rooibergensis と近い、もっと色が濃い感じではあるんだけど栽培と個体差のアレと言われればそんな感じでもあるという・・・。
ちょっとPさんっぽい作りの株なのでやっぱクリスタリナなのかな?
いやでも名前だけの取り違えも多いし・・・。

Haworthia cymbiformis (P.45)
「Salm Duck 産の大型のタイプ」とコメント。
H. rosea っぽい顔。
Salm Duck って Salm-Dyck と違う?
Salm-Dyck は人名(またはその人のナーセリー)みたいな感じで地名ではなさそう。
スラムダンク読みたくなった。

Haworthia cymbiformis ‘Howisons Poort’ (P.45)
産地名を品種名みたいにするのはあんま良くないと思われます。
H. meari とか言われたりもするけどメアリーさんは Breuer は今のとこ受け入れてないみたい 。

Haworthia cymbiformis ‘Planiforia’、 (P.46 中段)
とりあえずミススペルで、PLANIFO“L”IA が正しい。
この辺はなんとも言えん感じだけど中段の写真のも H. ramosa かな?
このタイプは確かに茎立ちしないんで H. cymbiformis ‘Planifolia’ でええのかな。
産地が wooldridge なら H. ramosa になりそうだけど。

Haworthia cymbiformis variegated (宝草錦) (P.46)
宝草って雑種で H. ‘Cuspidata’ とかそんなんという噂。

Haworthia gigas ‘Habdomadis’ (P.47 左)
H. habdomadis という感じではなくて H.decipiensH. cyanea とかに近いような雰囲気に見えるけどこの辺どうなるかわかりません。

Haworthia floribunda (P.47 左)
H. henda n.n. かな?

Haworthia helmiae (P.48)
P.38のと写真入れ替わっててこっちが H. bathylis

Haworthia glauca (P.48 中段)
これは H. herrei

Haworthia herbacea (P.48)
H. luteorosea とか H. herbacea というのは誤りでホントは H. palida ・・・とか言う前にこの写真は H. globifera
トゲもないのに H. herbacea はいかんでしょ。
アレ、でも THE GENUS HOWRTHIA ( Ingo Breuer の最近出た本 )見たら H. herbacea で載ってるワ。
よくわからん。

http://www.haworthia.net/journal21.4.html

H. herbacea v. lupula (P.48)
この顔のルプラと呼ばれてるモノは星の王子とかココザが作ったピクタとの雑種が疑われてる、とかそんな感じ。
原種には見えんよなぁ。

http://www.haworthia.net/journal21.4.html

Haworthia limifolia (P.49)
別種か新種かなー。

Haworthia koelmaniorum (P.49)
小苗でビミョーだけどこっちが H. mcmurtryi っぽい?
↓のマクマトリー項参照。

Haworthia magnifica var. meiringii (P.50)
何やこれ・・・H. maginifica とかのシリーズからはまず間違いなく外されると思います。

Haworthia maraisii ‘Drew’ (P.51)
Drew産の H. scabrida ・・・ってことになりそうかも。
H. maraisii はいっぱい載ってるけどこれくらいしかわからんです。

Haworthia maraisii v. notabilis ? (P.51)
H. nutidula v. opaca とされている」とコメント。
何がノタビリスなのかよくわかりませんが H. nitidula variegated / 青い鳥錦 とか言われてるヤツですかい?
H. nitidula は Breuer的にはナシな種みたい。
この斑入り物体が原種のままなのか雑種なのかもわからんです。
すぐ上の写真のトゲトゲが H. notabilis

Haworthia marginata (P.51上下)
H. mortonii かなー?

Haworthia marumiana (P.52)
むしろこれが H. archeri

Haworthia minima (P.54)
確かに H. minima に見える。
Swellendam 産ってことは白点の強い H. poellniziana だったりする?
うーんやっぱミニマ?
わからんね。

Haworthia mcmurtryi (P.54)
こっちが H. koelmaniorum に見えるしやっぱP.49と写真テンコシャンコしてね?

Haworthia mucronata v. morrisiae (P.56)
この顔でこのラベルだと H. sakai

Haworthia mucronata (P.56 左)
そのまま H. unicolor か・・・ H. venteri かも。
右のノギノギムクロは全然わからん。
何でもかんでもムクロナータにしすぎだろう。

Haworthia mutica ‘Silver’ (シルバームチカ)(P.57)
純系な H. mutica のままじゃなくてレツーサか何かとの交配だったような?
カルティバーネームにラテン語が使えなくなったアレの関係で『シルバームチカ』は‘Silvania’になったハズなんだけどやや形骸化の雰囲気。

Haworthia pulchella (P.60 左)
こっちが H. herbacea 、というか H. palida というかそういうアレ。

Haworthia pumila (P.61)
H. pumila という学名自体使うのは根本的に誤りで、H. maxima が正しいらしい(ハオスタ18号に載ってるらしいよ)。
左上のヤツは H. maxima っぽい顔。
色んな顔のが載ってるけど流石に別種・新種ってことになってくんじゃない。

http://www.haworthia.net/journal21.3.html

Haworthia pygmaea v. argenteo-maculosa (P.62)
H. sliviae ってとこ。

Haworthia reticulata (P.62)
どっちかというと H. hurlingii っぽい顔だけどまあ新種かもしれんしね。
同じ顔っぽいのがウチにもあるけど Holriver Station 産っぽい。

Haworthia reticulata v. hurlingii (P.63)
これもルプラみたいにたぶんパリダとピクタの雑種。

Haworthia sordida (P.64 中)
H. agavoides かな?

Haworthia tessellata (P.66 左)
H. tesselata とは別種になると思うんだけどちょっとわかりません。
H. irmianae n.n. とか色々あるんよ。

Haworthia truncata (微小玉扇) (P.67)
一時期 H. truncata var. minor とかでも出てた毛の生えた小さい玉扇。
H. papillaris になるんやろね。

Haworthia turgida (P.69)
これはどーなるのかなー H. pallidifolia なのか H. rodinii n.n. なのか H. suerecta なのか。
産地が載ってればなぁ。

Haworthia viscosa (P.70 右)
H. variabilis ・・・もなんか違う。
新種か別種かな。

Haworthia venosa ssp. granulata (P.70 中)
全然別モノで、たぶん下の写真とゴッチャになったと思うんだけど何かわからない・・・。
これも H. wittelbergensis ・・・?

Haworthia ‘Mordol’(モルドール) (P.71)
正しいスペルは‘Mordor’みたい。
Mordor ってロードオブザリングから取ったのかな?
イタリア語か何かで意味があったような気がするんだけど検索しても指輪物語ばっかり引っ掛かってわからん。

Haworthia ‘Hakuma’(白魔) 、H. ‘Silver Peacock’(銀孔雀) (P.71)
白魔(ホワイトデビル)って白銀城の別名(海外で多い)みたいな感じだったと思うんだけど写真がテンコシャンコしてやいませんかね。
それともホントはこれが正しいんだろか?
雪うさぎとかは‘Yuki Usagi’なのになんで銀孔雀だけベタ訳なのは何か理由が?

Haworthia ‘Shiraginu Emaki’(白絹絵巻) (P.71)
「白銀城とベヌスタの交配」ってことになってるけど白銀城の交配が白銀絵巻、銀世界の交配が白絹絵巻で、写真はたぶん白銀絵巻かな。

Haworthia ‘Hakugin-jyo’(白銀城) (P.72)
白帝城やないか!
交配親が H. wimmiH. venusta って書かれてますけど H. ‘Green Gem’ と毛蟹・・・という噂みたいっす。

Haworthia zantneriana (P.72 中)
H. inspida でいいのかな?


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Comments

  • emi

    ( ゚д゚)ホスィッて思ってて
    いまだに買ってない奴ですw
    そっかーこんなに長文になるほど
    指摘したい部分がてんこ盛りなんですねぇ~
    買ったら訂正部分を書き留めてメモ挟んで
    おくべきなのねー
    まず、注文する処からだけどw
    メールで注文できないみたいだしねw
    2011年02月07日
  • 1911

    逆に言うならそれだけ写真の掲載数も多いということで楽しめる・・・という!
    メセンもいっぱいだよ!
    買ったほうがいいよ!
    ボクはもう直接ゴリゴリ書いてますよ。
    2011年02月08日
  • コメント:
    こんにちは。たしかに気になるの多いですね。
    とりあえず・・・

    Haworthia crystallina (P.45)
    鋸歯の激しい個体と写真のようなツルンとしたやつから、いろいろタイプあります。H.rooibergensis持ってないんで、よくわからんですが、それより葉が太い印象です。ついでにヘロルディアの影響で葉が硬いみたいです。ムクロとヘロルディアの中間です。

    Haworthia reticulata (P.62)
    ヘイリンギーとか、よくわからんですが、ここら辺の産地はパリダ(ヘルバセア)と近いし、丘ごと(ドラえもんの裏山の1/3~1/5ぐらいのイメージが凸凹と続いている)に中間型もいっぱいあったりします。さらに丘の中でもノギあり/なし、窓多/少、葉尖/鈍とかあるんで、この辺のやつを1個体だけで産地を特定したり、種名を当てるのは不可能と思われます。

    >>Mordorってロードオブザリングから取ったのかな?
    取ったみたいですよ。
    2011年02月08日
  • 1911

    おぉ・・・!どうもです!
    クリスタリナで合ってましたか!
    こんな感じの個体もあるんですね。
    なんとヘロルディアに近いとは・・・勉強になりました。
    ブロイヤーの本にムクロそのものが載ってなくてどんなのかハッキリわからないのが残念!

    レティキュラータは
    https://1911.up.seesaa.net/image/1911-2010-07-24T21:51:39-1.jpg
    これと同じクローンが出回ったのが撮影されたのかと思いまして。
    関東のイベントなんかで定期的に出てるんでそんな感じのアレなのかなと。
    ウースターとかマクレゴーとか結構色んな地名が出てくるんでもう少し群落が離れてるのかと思ったらそんな狭い地域に混み入ってるんですねー。
    なるほどそれは特定出来ないですわ。
    この辺どういう風に分類が進んでいくのか凄く楽しみです。

    まんま指輪物語の黒の国でしたか!
    暗黒ゴツゴツな感じで確かに合ってますよね。
    気付かれないし、相手にされないと思うんですけどこういう名前って著作権とかには触れないんですかね?
    ‘ミッキーマウス’とかつけるとディズニーなら怒ってきそう。
    2011年02月09日
  • paramitsu

    モルドール気になってました!なんかハオルシアに関わらず、いろんな品種名ありますが、どうなんでしょう?とりあえず商標登録なければ良い気もしますが…?Dr.Hに質問ですね。
    2011年02月09日
  • 1911

    ちょいと調べてみたら「蘭の個体名にセーラームーンって付けようとしたらクレームきた」なんて話もあるみたいでマニアック植物だろうが何だろうが怒られるときは怒られるようで。
    灰色なネーミングってわかってるなら最初からそんな名前付けるな、ってとこなんでしょうかねぇ。
    2011年02月10日

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