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多肉植物写真集第2巻 REVIEWAL3
本日は皆さん大好きエケベリア。


■■■ GENUS: Echeveria ■■■
買ってすぐ見たのがアエオのページだったんで「イケるやん!」って思ったんだけどエケベのページ見てぐったり。
雑なミスも多い。
大型フリル系は色々と面倒なんでパスするけどだいたい合ってるような雰囲気。
交配種の解説に『 E. subrigida って書かれてるけど事実上 E. cante のことだろうね』な間違いが引き継がれてしまってる。
忠実と言えば忠実だけど。


Echeveria sp. (P.95)
E. cante と違うの?
カンテじゃないにしても、注釈にある「セクンダに近い種」ってのはちょっとなぁ。

E. atropurpurea (P.96)
とりあえず E. atropurpurea ではないと思われるんだけど、何かと言われるとちょっと厳しい。
顔付き的に原種だと思うんだけど E. trianthia より E. humilis のほうが緩めのロゼットで近いかな?
このテの顔のは難しい。
花が見れれば或いは。

Echeveria humilis
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botspezies_seite_en.asp?main=121570&menu=1&bgt=cm&genus=ECHEVERIA&gnr=1610
Echeveria trianthia
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botspezies_seite_en.asp?main=123420&menu=1&bgt=cm&genus=ECHEVERIA&gnr=1610

Echeveria fimbriata (P.97)
全然違くて見た瞬間吹いた。
写真のブツは×Pachyveria ‘Albocarinata’(‘Scheideckeri’ monst.) とかそういうアレ。
花立田とか立田錦とかそういうヤツですわな。
原種どころか全然関係ない属間雑種のモンスト。
たまに「ファインブリアツム」みたいな名前で‘Bradburyana’が売ってるの思い出した。
センペルか何かのラベルが刺さったんだろうネ。

Echeveria fimbriata
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botspezies_seite_en.asp?main=121010&menu=1&bgt=cm&genus=ECHEVERIA&gnr=1610

Echeveria gigantea (P.97) 、E. gigantea ‘Scott Haselton’ (P.97)、E. ‘Julia’ (P.101)
‘Scott Haselton’で載ってるモノは‘Scott Haselton’には見えんなぁ。
というかこれギアンテアなの?
E. rubromarginata っぽい質感に見えるけど分厚いなぁ。
全然わからん。
‘Julia’は聞いた話では E. gigantea 自体の実生で、カンテが掛かってるとかそういう話は聞いたことない。
「波打つのを‘Julia’って言う」みたいな感じのことも聞いたんで載ってるモノはそんなに‘Julia’って感じでもないかな。
むしろ‘Scott Haselton’がこんな感じ(写真自体はスコットではなさそうだけど)。
E. gigantea で載ってるモノ、これあんまり所謂ギガンテアっぽくない。
もしかしたらちょっと前に「サブリギダで出回ったけど実はギガンテアとの雑種でした」的なアレかも。
‘Julia’の説明とかと色々ゴッチャになってる的な予感もする。
でも「Cuernavaca産のギガンテア」ってヤツは結構サブリギダっぽい顔ではあるんだよね。
ギガンテア系は詳しい人に訊いてみてください。
エケベもハオルスみたいに産地つき原種で扱う時代が来かかってる・・・ような気がするけど一般化はしない予感。
ジュリアもホントはジョン・レノンの息子だか桑田佳祐の曲名だかで最初はジュリアンだったとかナントカ・・・。

Echeveria ‘Grapes Galove’ (P.98)
まず v と r を間違えていて、ホントは‘Grapes Galore’・・・なんだけどそれは全く別のエケベの名前、と教えていただきました。
これは自分じゃ気付かなかっただろうし、気付いてもノーヒントだと色々と厳しかっただろうから感謝です。
写真の毛ベリア錦は『シルク』とかそんな名前で出てるヤツとかそんなアレらしいです。
何の斑入りかは知らんです。
こういうのを目の当たりにすると今度から手書きラベルは大文字で書くようにしようかなと思ってみたり。
↓にセトピアの項も参照。

Echeveria ‘Fukushow nisiki’ (P.98)
台湾で出た花筏の斑入りを福祥錦と言う、らしいです。
ローマ字の決まりはヘボン式とか外務省ヘボン式とか日本式とか色々あるみたいだけど ‘Fukusho(u)-nisiki’ じゃいかんのか?
Fukushow はなかなか違和感が。

Echeveria ‘Jocelyn's Joy’ (P.98)
ECHEVERIA CULTIVARS などでも E. gibbiflora ‘Violescens’ とされているんだけどICNでは花の形状からパキベリアとしている。
確かにエケベリアでもギビフロラの花でもないわね。
http://crassulaceae.net/xpachyveriamenu/55-cultivars/1073-xpachyveria-myrtilla-en-kr
ちなみに‘Chunky’もパキベリア容疑者。
http://crassulaceae.net/xpachyveriamenu/86-photos/1081-xpachyveria-chunky-en-fr

Echeveria lauii (P.98)
E. laui
“ i ” が一個多いミススペル。

Echeveria mexicensis (P.98)
だ か ら E. mexicensis はアカンと言うておろうが!
葉っぱビヨってるけど E. cuspidata var. zaragozae で良さそうかな。
花も野ばらの精みたいにデレンベルギー系ではない完全クスピダータな感じだし。
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botspezies_seite_en.asp?main=120803&menu=1&bgt=cm&genus=ECHEVERIA&gnr=1610
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botanzeige_scan_en.asp?gnr=1610&scan=120800-1&cat=1&name=Echeveria
余談だけど最近『赤爪ザラゴーサ』なるモノが出てくるようになりましたがこれはただの野ばらの精では?
それ以前からよくごっちゃになってザラゴーサで野ばらが出てるけどね。
「へぇーザラゴーサには赤爪と黒爪があるんだー」みたいなミスリードを引き起こさせるあたりが恐ろしい。
野ばらの精は E. cuspidata var. zaragozae に比べて爪が赤くて細い・弱い以外に、デレンベルギーの交配種なので花で割りと簡単に見分けられます。
むしろ花で確認取るべき。
https://1911.up.seesaa.net/image/1911-2009-05-05T20:40:28-1.jpg
これ野ばらなんだけど、角張った寸胴体型で花の入り口が大きい(つまりデレンベルギーっぽい)。
野ばらとかにも使われたと思われる「ザラゴーサノバ」ってヤツが何気に不思議なヤツなんだけど長くなるのでまた今度。

Echeveria ‘Prigla Monst’ (P.99)
ハイ出たー‘Culibra’のミスラベル。
『クリプラ(KURIPURA)』になってるのは良くあったけどいつのまにかプリグラですよ。
いよいよ原型がなくなってきた。
スペルもテキトーに当ててる臭い。
『デコラ錦』とか『クリプラモンスト』とかよくラベルに刺さってますが『斑が入ってるから‘Decora’』、『モンストしてるから‘Culibra’』、なので錦とかモンストとか要らないです。

Echeveria ‘Pink Frills’ (P.99)
む、これは最近『レッドシャビアナ』とかで売ってたりもするヤツかな?
よくわからんのですが ‘Pink Frills’ といえば E. shaviana のセレクト個体しか見つからないんで他に名前ありそう。
ちょっと今は総当りで調べる気になれんです。
‘Paited Frills’(『あずき』に改竄されてる模様)にちょっと似てるよねー。

Echeveria pullvinata ‘Frosty’ (P.99)
E. pulvinata ‘Frosty’。
“ L ” が一個多いミススペル。

Echeveria ‘Rippling Water’ (P.99)
‘Rippling Waters’。
日本の図鑑やらラベルは複数形の -s が削られてることが多いです。

Echeveria rodolfi (P.100)
合ってる感じではあるんですが似たような銀色エケベがあるんで注意したいとこ。
紛らわしい上にそれぞれの種に顔の幅があるんで花と睨めっこになるんでしょうか。
Echeveria bifida
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botspezies_seite_en.asp?main=120440&menu=1&bgt=cm&genus=ECHEVERIA&gnr=1610
Echeveria lyonsii
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botspezies_seite_en.asp?main=123920&menu=1&bgt=cm&genus=ECHEVERIA&gnr=1610

Echeveria ‘Setopia’ (P.100)
見た瞬間吹いたシリーズ2。
全然別物。
リアルセトピアは E. peacockii ‘Desmetiana’× setosa v. minor ‘Aoi-nagisa’。
葉の裏が赤くなる選抜?個体(ついでに気持ち大型な気がする)を『青い渚』と区別するらしいですよ。
http://www.cactusosada.com/index/2009/09/post-b767-1.html
写真の茶色いのは何だろ?
‘Fireball’かなとか思ったけどもしかしてこっちが‘Grapes Galore’?
http://www.cactusosada.com/index/2009/08/post-3240.html
五反田で聞いたような気がするんだけど色々話してて忘れちゃった。

Echeveria secunda (P.100)
E. glauca とされていた種。」とコメントされておって、確かに E. glauca というのは E. secunda のシノニムですがどう見ても E. peacockii
花がセクンダだったら土下座します、それぐらい孔雀さん。
最近たまに E. peacockii にしか見えないモノが E. glauca の実生として出回ってますが、恐らく『海外から E. glauca の種子として輸入して蒔いた』ってことなんでしょう。
カクタスカウンセリングが必要かと思います。
どの時点で種子の取り違えが起きたのか知らんけど詳しい方に伺ったところ海外の種子は管理が結構アレらしいです。

Echeveria subcorymbosa Lau30 (P.100)
一時期『エクスパルチカ』という名前で出回っていたモノ。
これはアビーガーデンが『 E. expatriata 』とラベルを間違って繁殖してしまったためだと考えられる。
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botanzeige_scan_en.asp?gnr=1610&scan=123270&cat=7&name=Echeveria?subcorymbosa
画像3枚目の下辺り。
エクスパトリアータは雑種だろうってことで今は ×Cremneria ‘Expatriata’ になってる。

Echeveria ‘Ibesy’(イベシィ) (P.101)
「属間の交配種。多分、×Graptoveria ‘Fred Ives’」と注釈。
だったらプトのページに載せろとか『イベシィ』から来てるとしてもせめて‘Ivesii’だろとかツッコミどころの塊。
て言うか×G. ‘Fred Ives’ は全然似てない。
http://crassulaceae.net/xGraptoveriamenu/98-photos/615-x-graptoveria-fred-ives-photos
ジャパンでは「イベーシー」とか「ダスティー」で売ってる感じ。
写真のブツは Echeveria ‘Patina’っぽいかな。
http://crassulaceae.net/echeveriamenu/89-photos/952-echeveria-patina-ph
個人的に一番テキトーだなーって思った項。

Echeveria ‘Hatsukoi-nisiki’ (P.101)
×Graptoveria ‘Douglas Huth’ variegated 。
http://crassulaceae.net/xGraptoveriamenu/98-photos/693-xgraptoveria-douglas-huth-photos
1巻の白牡丹といいグラプトベリアは2巻通じて報われない感じ。

Echeveria walpoleana (P.101)
こういう紫茶色系で葉っぱの中心に溝が入るタイプは凄く難しいんですけどワルポレアナは微妙。
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botspezies_seite_en.asp?main=123490&menu=1&bgt=cm&genus=ECHEVERIA&gnr=1610
個人的には E. racemosa の1タイプでないかと思いますけど難しいっすね。
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botanzeige_scan_en.asp?gnr=1610&scan=122730-1&cat=6&name=Echeveria
下のスケッチ似てない?
ちなみに新年会会場では某店でこれが E. atropurpurea で売ってました。
茎立ちすればアトロかもだけどどうかなー?
たぶんペタンコのまま E. racemosa じゃないかと予想。

Echeveria ‘Yamato-no-mai’(大和の舞) (P.101)
見た瞬間吹いたシリーズ3。
大和でも舞でもネェ!
大和の舞というのは大和錦と花舞笠(‘Curly Locks’)の結構古い交配種。
写真のツンツン植物は E. unguiculata かな?
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botspezies_seite_en.asp?main=123690&menu=1&bgt=cm&genus=ECHEVERIA&gnr=1610
http://www.crassulaceae.com/botanik/pflanzen/botanzeige_scan_en.asp?gnr=1610&scan=123690&cat=8&name=Echeveria?unguiculata
『ミクイアナ』とかいうラベルで売ってたりすることがあるのはたぶん3つ目に採集された産地が Miquihuana だから。
Echeveria sp. , Miquihuana 』と『ミクイアナ』じゃ情報量が雲泥の差よ。
『パルメソラ』の件もそうだけどカタカナ1単語でラベル書くのホントよくない。

Echeveria × ‘Zahnii’ (P.101)
「斑の入った優雅な園芸種」と注釈。
「‘Hoveyi’(花車)の斑が抜けたモノを‘Zahnii’と言う by ケッペル」なのでこれはトンチンカン。
しかも写真は七変化と思われます。
それなりに調べたんですが七変化は‘Hoveyi’の枝変わりとかではなさそうな、全く別の植物っぽいので‘Sichihenge’とかでええと思います(つまり七変化の斑抜けを‘Zahnii’というのも間違い)。
第一巻の花車の項もドイヒーだったけどもうちょいなんとかならんかね。

ザ・ビートルズ・ボックス
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