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Sr. Miguel Pulido
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Echeveria pulidonis



最近色んなところで見かける岐孝園というところから出荷されている E. pulidonis
都内だとあまり馴染みがありませんが、東海地方以西なら有名だったりするんでしょうか。

http://www.saboten.co.jp/

ハウスでムッチリ肥培されていたと思われるのでもう開花中。
E. carnicolor と交配したいので買ってきましたが、E. carnicolor のほうが走り気味で種子親としてはそんなに数がこなせないかも。
残りは Sedum palmeri とでも交配してみよう。
花芽もいっぱいでしばらく咲きっ放しです。

興味深いのは『 E. pulidonis 』で販売されていることです。
『花うらら』とは書かれていません。
まあ "プレリンゼ" の類い(‘Ileen’ や "APUS")でもなく、普及型の E. pulidonis なのでどうというワケでもないのですが。
海外の大手業者でも E. pulidonis そのものが大量生産されているようなのでその辺りが関係しているのか・・・いずれにしろちゃんとした学名で売られていてちょっと関心しました。

pulidonis を読み間違えたのか、国内外共に『pellucida / ペルシダ』なんていうコンコンチキな名前で販売されてたりもします。
"pellucida" なんていう taxon は Echeveria 属にはありませんし、1959 年以前にもそういった品種は発表されていないので完全に無効です。
「花うららとペルシダは良く似てるけど名前が違うから別物なんだろう」なんていうオカルトな考え方はやめて同じにしか見えないものは同じ名前にしてしまうほうが良いです。
ケースバイケースですが、園芸的な収集スタンスとしてはこっちのほうが良いです。

同様に、『セクンダ』で販売されている "桃太郎" っぽいものもアレは "桃太郎" です。
E. secunda でないことを説明することも出来ますが、それ以前に「どう見ても "桃太郎" にしか見えないモノは "桃太郎"」で十分と言えます。
「名前が違うから別物なんだろう」というのは園芸では合理的な考え方とは言えません。

旧来品種の保護をというのなら、雑種狩りではなく既存のものの記載や識別するポイントをしっかりと周知させたり、キチンとした品種(cultivar)として確立なり諸国の愛好者に明示することのほうが有意義ではないでしょうか。
権威を謳う団体であるなら花卉業者とも掛け合って是正を促すくらいの指導力が欲しいところですが・・・まあこれはやっぱり現実的に難しいです。
コレクターへの啓蒙くらいが現実的じゃないかと思います。

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xGraptoveria ‘Bashful'
http://www.crassulaceae.ch/de/artikel?akID=63&aaID=2&aiID=B&aID=3495

人気の‘バッシュフル’さん。
‘Jujube’ が正名かと思ってましたが、結局 ‘Bashful’ が正名に落ち着いたような感じです。
ということでやっぱり "ピンクルルビー" は無効な異名です。
G. amethystinumE. minima 辺りが親っぽいような雰囲気です。



Echeveria ‘Carribean’
http://www.crassulaceae.ch/de/artikel?akID=48&aaID=3&aiID=C&aID=4891

本体、花共に E. runyoniiE. peacockii ‘Subsessilis’ の中間的な雰囲気に見えます。
E. shaviana っぽさも無くはないような感じですが、まあ花の形状的にだいたいこの辺が関連しているのは間違いないでしょう。

最近お花屋さんルートで『エケベリア・カナディアン』というのがよく流通しているようですが・・・怪しいです。
誤字でカリブ人がカナダ人になってしまっているパターンっぽさがハンパないです。
ついでに『エケベリア・スカイデッケリ』というのもこれも似た雰囲気です。
ちなみに『エケベリア・スカイデッケリ』という名前はまず間違いと言い切れます。
合っているとしても無効。
『スカイデッケリ』というのは恐らく "Scheideckeri" だと思われますから、流通過程のどこかで xPachyveria ‘Scheideckeri’ とゴチャゴチャになったのでしょう。
全然関係ない小名がくっ付いたまま誰も間違いに気づかなかったパターンです。

『カナディアン』と『スカイデッケリ』が両方 ‘Carribean’ かどうかはまでは分かりませんが、ほぼ同時期に流通しだしたことも含めて平行して調査するほうが良いかと思います。
流通経路が花卉業者メインで、多肉業者の作りとは違うガッツリ肥培系や小売店の徒長気味な管理になっていることもあるのでなかなか判断が難しい感じです。
この辺りの銀葉エケベがお好きな方には是非類似品種含めて調査していただきたいところです。
似た感じのが多くて大変な感じですが、花で割りと判別が付くのではないかと思ってます。

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真夏に暗色の金属は流石にアレな気がするので空き缶にブルーイングするか迷ってます。
うーん。

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